黒子!黒子!黒子!

2006/05/15

やさしさの半分は何からできているのでしょうか?

今の私、状態悪いね。
メンタルの状態悪いね。
一人コソコソとパソコンをいじる私の状態は確実に悪いと言えます。
状態が悪いから書く。
だからといって、書いたから改善されるわけでもない。
書くことによって改善しようと努力しているわけでもない。
そもそも努力しようとして得た結果と努力せずに得た結果は結局同じ結果になる。
「がんばります」「努力します」「改善します」という言葉は広い考えの中では無意味であると感じます。
ただ、そのような言葉を受け取った側の気持ちを動かすことはできるように思います。
がんばっても結果は変わらない。
しかし、無理をすれば結果は変わる。

しかし、私は無理をしたくない。
しかし、私は無茶をしたくない。
しかし、私は自分を変える為に苦痛を味わいたくない。

逆に
私は平和になりたい。
私は刺激を求めていない。
私は時間を止めたい。


今日の黒子は物語です。
テーマは「もっと私にやさしくしてください」です。



昔見た夢なのか、現実なのか定かではありませんが時間が止まる映像がありました。

時計も止まり、人間も蝋人形(ろうにんぎょう)のように固まっています。
生物の呼吸も光合成も止まっています。
日差しの強い昼下がりでした。
不思議な事に太陽も止まって見えます。
普通、時間が止まっているのであれば私に像(光)が見えるはずもないのですが、不思議なことに私以外が止まって「みえる」のです。
どうやら、地球上で私だけが動いているようです。
私は恐怖しました。
驚くほどの無音が怖かったのです。
私自身、呼吸をしていたのかどうかは覚えていません。
私は死んでしまったのではないかと焦り、軽い早足で道路を歩いていました。
しかし、私は夏の暑さに耐えられず日差しから逃げるように右の木陰に入りました。

そして、一本の樹木に手をつきました。
すると蝉(せみ)の鳴く音が一面を染め、その音は340m/秒で球型の広がりを見せてくれました。
地面の草や土に跳ね返り乱反射する音と硬いコンクリートを綺麗に反射する音とが絶
妙な音階を表現します。
「なるほど」と私には解りました。

私が手を触れれば、その対象物は時間を取り戻すようです。

私は、その道路を今度は、ゆっくりと歩きながら進みました。
定期的に蝉の鳴く音が背中の方から聞こえます。
同じ方向から聞こえるので、おそらくあの蝉はあの樹木に掴まっているのでしょう。

最初の音は私の遥か前方数百km先でさらなる反射を繰り返しているのだろうか?
大気との摩擦によって、かき消されてはいないだろうか?
私を中心に半球型に広がり続ける第一音の速度に合わせて同じ速度で追従することが
できるなら、どのような聞こえ方なのだろう?
というこの状況において全く必要の無い想像をしていました。
そのせいか、自然に恐怖心は無くなっています。

100m程歩いた所で再度、私の背中にあの蝉の音が届きました。
若干、音が弱まっているように聞こえたので、どうやら音は大気との摩擦でかき消されるのだと解りました。
「もしや蝉自身が弱ってきたのでは?」と疑いましたが、違うようです。

130m程歩いた所で、私は2つ目の蝋人形を見つけました。
1つ目と同じく女性です。
1つ目と比べると若く魅力的な女性です。齢25といったところでしょうか・・・短いスカートが印象的です。
その不自然で不安定な状態で固まる蝋人形2(と呼ぶことにする)は力学的に立つことができないような前傾姿勢でした。ただ不自然で不安定な状態に見えるだけで普通の歩行動作の一部であると瞬時に悟った私の脳のポテンシャルは世界で何番目だろう?と考え込んでしまい、しばらくその場に立ち尽くしてしまいました。
中学校の時の成績と同じように真ん中より少し上ぐらいだろうと勝手に納得して、あ
まり時間を無駄にしないようにしました。

でも・・・時間は止まっているようです。
無駄にするもしないも時間は止まっているのです。

私はここで強く悩みます。

『悩み1:隣にいる蝋人形2に触れてもいいのだろうか?』

蝋人形と言えど、この蝋人形2が人間に戻った状態(以下:人間2と呼ぶことにする)の場合、完全な人間な訳で・・・
見知らぬ女性にボディータッチすることは、後に社会的制裁を受ける危険性があります。
でも・・・時間は止まっているようです。
社会的制裁どころか社会なんて止まっているのですから全然大丈夫。はい、解決。
別の方法として、他の場所の男性蝋人形にボディータッチすればいいだけの話。はい、再解決。


しかし


『悩み2:隣にいる蝋人形2に時間を与えてもいいのだろうか?』

もし、人間2が他の蝋人形に触れることで蝋人形から人間に戻すことができるとすれば社会の歯車が急速に回ってしまう訳で・・・
となると、私はこの住みにくい世の中に身を置かなければならないのは必須な訳で・・・
でも・・・時間は止まっているようです。
じゃあ時間を止めたままの方が私にとって都合がいい。はい、解決
以前のあるべき姿に戻さなければいけないと思ってしまう思考は私の弱点。はい、再解決

などとまるで私は時間を手に入れ、生命の存在を司る唯一の人間のような感覚になり陰鬱な気持ちになったのです。
しかし、どっちにしても陰鬱だから新しい方で!的な感覚で時間を止めておくことにします。



「とりあえず蝋人形2のパンチラでも見ようかな」と、まぁ・・・お約束ですね。3秒弱での判断でした。
ボディータッチしてしまうと人間2になってしまうのでお触り禁止ですね。
身を低くして覗いてみると見事なモリマンです。
恥骨にどっかりと肉が乗っています。
そのリアルな重量感と蝋人形2の不安定さが妙にエロイックです。
もはやこれは蝋人形似の人間なのではないか・・・
人間似の蝋人形かもしれない・・・
あぁ・・・その透けた韻毛に触りたい
しかし、触っては歯車が回ってしまう。むむむ・・・
私は一度立ち上がり「お触り禁止」と自分を戒めました。
そして再び閲覧。
そして再び立ち上がり同じ言葉で戒めました。
そして角度を変えて再三の閲覧。むむむ・・・
さすがに飽きてきたので気分転換でもしようかと思いました。
「せっかく天気もいいし身体でも焼こうかな」と呟き最後の一片を脱ぎ捨てた所で私は焼けたコンクリートの温度に恐怖し、服を地面に敷きました。
そして、その服の上を仰向けに寝そべったのです。
しかし、とにかく暑いので段々辛くなってきましたよ。
そもそも、何故、私はメラニンを生成しているのでしょうか??
綺麗に焼けた素肌や引き締まった大胸筋をいったい誰にアピールするのでしょうか??
時間は止まっているので、意味ありませんね。
「はい、意味ない」とやや大きな声が無音の中に吸い込まれるようです。



私は微かに反射する私自身の声を聞いた瞬間、重大な事を思い出したのです。




「あの蝉がいる」


この社会は止まったままの方が良いように感じます。
なぜ社会は私を惑わせるのでしょうか?
なぜ社会は私にストレスを与えるのでしょうか?
なぜ私のメンタルはこんなにも弱いのでしょうか?



「蝉よ・・・私は社会を動かそうとは思っていないから」

「蝉よ・・・私はこのまま冷たくなったコンクリートの上でずっと寝そべっているから」

「蝉よ・・・私が悪かった。お前は自由にやってくれ。一瞬でも蝉を捕まえようとした事を後悔しながら寝そべっているから」


瞼越しなので定かでは無いのですが、いつのまにか太陽が消え月が出ているようです。

どうやら地球は私と蝉との時間を乗せて回っているらしい。

そして、またひとつあの蝉の音が鳴った・・・

どうやら同じ場所にいるらしい。
どうせ長生きしないくせに・・・




黒子

1 Comments:

At 5:08 午後, Anonymous 匿名 said...

相変わらずコメントが入らないブログですね。
ボク以外の人がコメントした時ってあるんですか?

今度飲みに行きます。

多分・・・・

 

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